色々と気をつけないといけないことは多そうだけど、考えてしまうと傾聴できなくなるし、うーん、どうしたらいいんだろう…
本ブログは、コーチングを学んだけど実践ゼロの初心者コーチに向けて、3ヶ月後には、自信を持ってコーチと名乗れるよう、取るべき行動をステップバイステップでお伝えしています。
この記事は、3ヶ月チャレンジの実践編、Stage2のステップ4です。
【初心者向け】コーチング実施に役立つ6つのスキルのチェックリスト
コーチとしての自信をつける3ヶ月チャレンジ。前回は、毎回のコーチングの最初にやるべきこと3つについてお伝えしました。今回は、コーチングを実施する際に気をつけることを整理しましょう。
先日お伝えしたように、コーチングには様々な流派やモデルがあります。ジョセフ・オコナーとアンドレア・ラゲスの「コーチングのすべて ― その成り立ち・流派・理論から実践の指針まで」によると、コーチングには9つのモデルがあり、それぞれのモデルにより、コーチングの目的や、目標、重視することは全く異なります。
- インナーゲーム
- GROW
- コーアクティブコーチング
- インテグラル・コーチング
- NLPコーチング
- ポジティブ心理学コーチング
- 行動コーチング
- オントロジカル・コーチング
- インテグレーテッド・モデル
そのため、スキルについても、モデルを超えて必要なスキルとして、基礎スキルを3つ、応用スキルを3つを定義しました。
コーチングモデルとスキルの関係は、例えていうと、山に登る時、
- クライアントが、どの山に登るか、どこを目指したいか決める (=目標・ゴール設定)
- 登山者の案内人であるシェルパ(=コーチ)が、ルートを決める(=コーチングモデル)
- 頂上まで行き着くために、標準装備しておいた方がいいもの(=コーチングスキル)
という感じです!
傾聴 (ポイント3つ)
- 自分の口数を2割以下に減らす
- 相手の話を聴くために、まずは自分の口数を減らす
- 目安として、「コーチの口数が2割以下」を目指す
- 相手の声の調子、身体の動きや姿勢など、非言語に意識を向ける
- 相手の言葉だけでなく、相手から発せられる全ての情報に意識を向けましょう。
- 場の雰囲気やエネルギーに意識を向ける
- 更に、相手の非言語なコミュニケーションだけでなく、場の雰囲気やエネルギーにも意識を向けましょう。
承認 (ポイント3つ)
- 相手を判断せず、存在をそのまま受け止める
- ネガティブな感情や認めたくない部分も、コーチはそのまま受け止める
- 「褒める」ことはしない
- 「褒める」という行為には上下関係がある。コーチとクライアント関係は上下ではないため、「褒める」ことはしない
- 結果でなく、プロセスに意識を向ける
- クライアントの成長や変化に意識を向け、それが見られた時には、すかさず承認する
質問 (ポイント3つ)
- 「オープン・クエスチョン」をする
- YES/NOで答えられる質問でなく、WHATやHOWを使った「オープン・クエスチョン」をする
- 「将来、やりたいことはありますか?」▶︎YES/NO
- 「将来、どんなことがやりたいですか?」▶︎自由に考えられる
- YES/NOで答えられる質問でなく、WHATやHOWを使った「オープン・クエスチョン」をする
- なぜ/WHYから始まる質問を避ける
- 責められていると感じ、「言い訳」を誘発しやすいため、なぜ/WHYから始まる質問は避ける
- WHY:「なぜ、そんな行動をしたのですか?」
- WHAT:「そのような行動をしたのには、どんな背景/思いがあるのですか?」
- 責められていると感じ、「言い訳」を誘発しやすいため、なぜ/WHYから始まる質問は避ける
- 短い質問をして、質問後は口を閉じ、相手の反応を見る
- コーチは短く、シンプルな質問をすることを心がける
- そして、質問を投げた後は口を閉じ、相手にスペースを与えるようにする
フィードバック (ポイント2つ)
- 相手の声の調子、身体の動きや姿勢などを観察する
- (傾聴と共通) 相手の非言語のメッセージに意識を向ける
- 非言語のメッセージで気づいたことを、短い言葉で伝える
- 「急に声の調子が強くなりましたね」
- 「眉間に皺が寄っていますね」
- 「先ほどから、XXという言葉を何度も口にしていますね」
リクエスト (ポイント2つ)
そして、提案をする際には「コーチからの提案はニュートラルなもので、受けても、受けなくても、代替案を自分から提案してもいい」ということを伝えます。
- クライアントにコーチからの提案はニュートラルなものであることを伝える
- クライアントの可能性を広げるために、新しい行動や捉え方を提案する
「提案」する際の会話例
- コーチ:「提案があります。コーチからの提案には、「YES」「NO」若しくは「代替案」で答えてください」
- クライアント:「はい」
- コーチ:「次のコーチングまでに、新規顧客30人にコンタクトしてください」
- クライアント:「え?30人!絶対に無理です!!!」
- コーチ:「では、何人なら可能ですか?」
- クライアント:「えー、、、半分の15人なら、現実的だと思います」
メタ認知 (ポイント2つ)
また、クライアントが俯瞰してみることで、気づきが得られるよう、プロセスを振り返る質問をします。
- コーチが、自分自身を俯瞰する視点を持つ
- クライアントに俯瞰するための質問をする
- 「ここまで話してみて、どんなことに気づきましたか?」
- 「今、実際にそれを口にしてみて、どんな気づきがありましたか?」
- 「今話したことに、どれぐらいの納得感がありますか?」
【ステップ4 – コーチングを実施する】チェックリスト6項目
そして、毎回のコーチングセッションが終わった時、それぞれのスキルをチェックして、どれぐらいできたか、確認してください。
コーチングスキル 基礎3つ (ポイント3つずつ)
- 傾聴:相手を否定することなく、ありのまま話を聴くこと
- 自分の口数を2割以下に減らす
- 相手の声の調子、身体の動きや姿勢など、非言語に意識を向ける
- 場の雰囲気やエネルギーに意識を向ける
- 承認:相手の存在をそのまま受け止めること
- 相手を判断せず、存在をそのまま受け止める
- 「褒める」ことはしない
- 結果でなく、プロセスに意識を向ける
- 質問:相手の視点を広げ、気づきを促すこと
- 「オープン・クエスチョン」をする
- なぜ/WHYから始まる質問を避ける
- 短い質問をして、質問後は口を閉じ、相手の反応を見る
コーチングスキル 応用3つ (ポイント2つずつ)
- フィードバック:相手を観察し、気づいたことをそのまま伝え返すこと
- 相手の声の調子、身体の動きや姿勢などを観察する
- 気づいたことを、短い言葉でそのまま伝える
- リクエスト:相手に対して、新しい行動や捉え方を提案すること
- コーチからの提案はニュートラルなものであることを伝える
- クライアントの可能性を広げるために、新しい行動や捉え方を提案する
- メタ認知:自分のことを客観的に、俯瞰して見ること
- コーチが、自分自身を俯瞰する視点を持つ
- クライアントに俯瞰するための質問をする
【次回に向けて】STEP5 – コーチングを終了する
一方で、どのモデルであっても共通するスキルがあるため、そのスキルの実施ポイントについて、今回はお話ししました。毎回のコーチングセッションを実施する時、なにをすべきか、明確になりましたか?
では、次回は、コーチングの終了についてお話ししましょう!終盤、どのようにコーチングをクローズしていくか、必要事項について、整理していきましょう。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!